空手形女子で20年東京五輪金メダルが期待されている清水希容(23=ミキハウス)が28日、大阪・八尾市の所属先の道場で、5連覇を目指す全日本選手権個人戦(12月10日、東京・日本武道館)に向けた練習を公開した。軽めの練習ながら、約1時間にわたって汗を流した。

 世界選手権は2連覇中で「空手界の綾瀬はるか」として注目されるが、10月にオーストリア・ザルツブルクで行われた国際大会では12年12月の全日本選手権以来、約4年10カ月ぶりに黒星を喫した。「正直、つい最近まで(勝ちが当たり前の)プレッシャーがあったけれど、ザルツブルクでそれを落としてきた。今は新しい気持ちで取り組んでいます」。帰国後にはフィギュアスケートの羽生結弦や体操の内村航平ら王者が、ケガなどに苦しみながらも努力を重ねる姿をテレビで見つめ、前向きに考えたという。その上で「(東京五輪までは)無駄にする時間が全くない」と言い切った。

 来季からは東京五輪に向けて、国際大会の転戦がよりハードになる予定。その前に12月7日の24歳の誕生日を経て迎える全日本選手権は、1年を締めくくる大舞台になる。

 「私にとって、全日本は原点。一番初めの大きな目標が全日本で、そこで優勝してから、国際大会に出られるようになった。日本人が目指す一番の舞台で、一番いい形を打つことが年内の目標です」

 負けを味わい、苦悩もあった2017年。納得のいく5連覇で、進化し続ける姿を証明する。