就実(岡山)が、29年連続出場中の札幌山の手(北海道)を接戦の末に破り、3回戦進出を決めた。

 強豪校同士の意地のぶつかり合いとなった。両チームともに、集中力を切らすことなく厳しいディフェンスでプレッシャーを与え、相手を自由にさせることがないまま、第4クオーター(Q)を59-56の3点差で迎える。

 流れがどちらに傾くかわからない膠着(こうちゃく)状態を破ったのは、5月に靱帯(じんたい)損傷のケガを負い、10月に復帰したばかりの頼れるシューター青木南々華のミドルだった。

 「もともとメンタルが弱い子でしたが、ケガを経て強くなって帰ってきてくれた。接戦の展開の大事なところでシュートを決めてくれる青木の存在はチームにとって大きい」と、佐原雅明コーチ(54)は目を細める。

 夏場に抜けた青木の穴を埋めるために起用された1年生のPG岡村季保の成長も頼もしい。この試合でも縦横無尽にコートを駆け回りチームの勝利に大きく貢献した。「対戦チームは岡村のデータがないはずです」と、指揮官は秘密兵器の活躍にニンマリしていた。