柔道男子66キロ級で世界選手権3連覇、五輪2大会連続銅メダルの海老沼匡(27=パーク24)に第1子となる女児が誕生していたことが10日、分かった。

 14年12月にマスターズ大会などで優勝経験のある元柔道日本代表の(旧姓阿部)香菜さん(29)と結婚。昨年12月20日に長女の奏暖(かのん)ちゃんが誕生した。

 この日、海老沼は横浜市で行われた男子軽量級代表の強化合宿に参加し「結婚の時と同じように子どもが生まれたことで『柔道を頑張らないと』という気持ちがより強くなった。娘はかわいくて、どうしようもない」と笑顔を見せた。

 昨年、減量苦により階級を73キロ級に上げた。3月には変更後初の国際大会となるグランドスラム(GS)エカテリンブルク大会(ロシア)に出場する。「結果を出さないとすぐに切られるし、このチャンスをものにしないといけない。GSに勝って、ようやく、その先に世界選手権や五輪が見えてくる」。73キロ級は世界王者の橋本壮市(26)や五輪王者の大野将平(25)らがいる激戦階級だ。66キロ級で実績のある海老沼は現実を直視し、同階級では「挑戦者」と捉えている。「勝ったら大金星だし、今は挑戦できることが何より幸せ。目の前のGSを勝ってスタートラインに立てる。自分が変化、進化しないといけない」と前を向く。

 今年の世界選手権(バクー)代表の最終選考会である選抜体重別選手権(4月7~8日、福岡国際センター)には、香菜さんと奏暖ちゃんも来場予定という。「家族が見守ってくれる中で、かっこいい姿を見せられたら。この1年は自分の柔道人生において大切な年になると思っている」。妻と長女という支えとともに柔道界一真面目な男の挑戦は続く。