2020年東京オリンピック(東京五輪)の新競技クライミングのスピード種目の国際大会「SPEED STARS 2018 スピードクライミングカップ」が29日、東京・昭島市のモリパーク アウトドアヴィレッジで行われた。

 東京五輪のクライミング競技はスピード、リード、ボルダリングの3種目の総合で争われ、スピードはホールドを伝って15メートルの壁を登るタイムを競う種目。今大会には世界記録保持者ら男女の世界ランク上位が集結した。

 男子決勝は昨年のワールドゲームズ3位のスタニスラフ・ココリン(ロシア)が、5秒94の最速タイムで優勝。「まだシーズンが始まったばかりで、私を含めて出場選手のコンディションがよくない。今の時点では満足な結果だが、W杯では5秒7くらいのタイムを出せないとメダルには届かない」と手放しで喜んでいなかった。

 日本勢はボルダリングでは世界トップレベルだが、スピードは世界と大きな差がある。日本から出場した楢崎明智(18=チームau)は予選を7秒42のタイムで通過したが、準々決勝で敗退した。ココリンは日本の現状について「スピードに臨む環境や競争が足りていない」と指摘。日本代表の水村信二コーチは「男女とも世界とは1秒2、3の差がある。今はまだタイムを直接比較する段階ではない。今日のスピード専門の選手のパフォーマンスをいいお手本にしてほしい」と話した。

 女子はアレクサンドラ・ルヅィンスカ(ポーランド)が決勝を7秒83の好タイムで制した。【首藤正徳】