男子世界ランク3位の国枝慎吾(34=ユニクロ)が同5位のゴードン・リード(26=英国)に4-6、6-4、1-6のフルセットで敗れ、3年ぶり9回目の優勝を逃した。

 「今日の彼のプレーは優勝に値した。何とか攻略しようとしましたが、逆に攻略されてしまった」。国枝は素直に敗戦を受け入れ、リードをたたえた。第1セットをサービスを2度破られて失ったが、第2セットはブレーク合戦の末、4度サービスを破り返してタイに。しかし、最終セットは第1ゲームのサービスキープ後、6ゲームを続けて失って力尽きた。

 この大会好調だったサーブとフォアが切れを欠いた。逆にフォアのリターンエースを何本も浴び、ドロップショットに翻弄(ほんろう)された。1月の全豪で15年全米以来3年ぶり、シングルス通算21度目の4大大会制覇。その初戦で一蹴した相手に雪辱を許した。「今は世界のトップ8のうち、誰が勝ってもおかしくない。全仏へ向けて調整します」。昨年まで悩まされた右肘痛の不安はない。絶対王者が完全復活を目指し、パリへ向かう。