12年ロンドンオリンピック(五輪)銀メダルのフジカキこと藤井瑞希(30)、垣岩令佳(29=再春館製薬所)組が、涙で最後の全日本選手権を終えた。

リオデジャネイロ五輪金の高橋礼華(28)、松友美佐紀(26=日本ユニシス)組に19-21、19-21と好ゲームの末に敗れた。試合直後は会場中から温かい拍手を送られ、タカマツも含む4人がコート上で涙を流した。藤井は「ずっと一緒にやってきたタカマツと最後にできたし、自分たちのプレーも全力で出し切れた。大満足の試合。感謝の気持ちでいっぱい」と充実の表情だった。

06年青森山田高時代にペアを結成。「私が高校生のときに初めて組んだ瞬間に何っとも言えない、コートの中で気が合うという感じをフィーリングで感じた」と藤井。息の合ったコンビネーションで日本バドミントン史上初のメダルを獲得した。その後、1度解散したが、17年に再結成。10年以上、家族よりも多くの時間を過ごしてきた相棒に2人はそれぞれ感謝の思いを語った。藤井は「正直、めちゃくちゃ怒って、かわいそうだなと思うときもあったんですけど、それも五輪に行きたいからこそ。本当につらかったと思う。それでも最後までついてきてくれた。本人はきづいてないけど、だいぶ支えられたなと思う」。垣岩は「何くそと思うこともありましたが、いつも愛情のある怒り方だった。(受けとめるのは)私じゃないと無理だな、と。家族より一緒にいる、頼りになる先輩というよりお姉ちゃん」。

今後、垣岩は現所属の再春館製薬所でコーチとなる予定で、藤井は未定。実業団の団体戦S/Jリーグでまだプレーする可能性はあるが、個人戦はこれが最後。力を出し切り、うれし涙と笑顔で締めくくった。