世界6位の錦織圭(29=日清食品)が、自己最高位に向け好発進だ。同65位のブノワ・ペール(フランス)に6-4、6-3の1時間21分でストレート勝ち。2回戦では同77位のフルカチュ(ポーランド)と対戦する。錦織は、今大会で優勝すると、15年3月に初めて記録した自己最高位の4位に並ぶ。

もう天敵とは言わせない。15年全米1回戦で屈辱の敗戦を味わい、その後2連敗を喫した相手に、錦織が快勝だ。初の大会、初戦という難しい状況で絶好調とは行かなかったが「相手はトリッキーでいいバックハンドも持っていたが、いい試合ができた」と、満足なスタートだ。

すべては第1セットの第4ゲームだった。第3ゲームで相手のサービスゲームをブレーク。2-1リードの自分のサーブで、7度のブレークポイントを握られた。しかし、14分に及ぶ接戦を取り切り、3-1とリードを広げ、そのまま突き放した。

相手は、65位といえど難敵だ。時速210キロほどの強サーブ、いきなりのドロップショット、信じられない決定打に、素人のような凡ミスと、引っかき回す。リズムがなく、錦織も何度も苦戦したが、この日は、相手の苦手なフォアに球を集め、ミスを誘った。

昨年9月の全米から、ツアー最終戦を除き、9大会連続でベスト8以上の好成績を残している。17年8月に右手首のケガで、18年4月に39位にまで転落した世界ランキングも、じわじわと再浮上。今大会で優勝すれば、自己最高位タイの4位まで戻すことが可能だ。

今大会は、ツアーで12度目の第1シード。先週の女子の大坂なおみと並んで、ドバイでは日本の男女のエースが第1シードとなった。過去、11度は5度の優勝に2度の準優勝と、半分以上で決勝に進む。大坂は初戦で敗れたが、「この調子でいきたい」と、錦織は優勝で4位をつかみ取る。