男子は14年仁川アジア大会3冠の神本雄也(24=コナミスポーツ)が平行棒で15・533点、鉄棒で14・566点をマークし、ともにトップで23日の決勝に進んだ。今大会が最終選考会で残り2人が決まる世界選手権(10月、ドイツ)代表をほぼ確実にした。17歳の橋本大輝もあん馬で2位に入るなど前進した。チーム貢献度を重視する選考のため、床運動で2位通過した白井健三(22)は厳しくなった。代表は男女ともに5人で、女子は残り1人を決める。

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ナショナル強化選手として戦い始めて6年目。神本がようやく世界代表に手をかけた。「このチャンスを必ずつかみたい」。静かな口調に決意がこもる。10年ユース五輪個人総合金メダル、14年にはアジア大会で日本勢40年ぶりの頂点に輝いた実力者が好演技で会場を沸かせた。既に内定している3選手(谷川翔、谷川航、萱)が苦手とするつり輪、鉄棒をまとめ、出色は平行棒。「大きな取りこぼしなくできた」とただ1人15点台に乗せた。

世界代表の残る2人は、今大会の予選と決勝の結果も踏まえ、1人はNHK杯10位以内を条件に団体総合で貢献度の高い選手を選ぶ。決勝ではつり輪の点数での上積みを目指す。16年リオ五輪では、最終選考会となった今大会に故障を押して出場して代表の座を逃し、補欠としてブラジルに帯同した。「1つ1つの演技が自信につながっている」。悔しい思いを晴らす世界舞台が迫ってきた。