【光州=益田一弘】女子個人メドレーの大橋悠依(23=イトマン東進)が2大会連続のメダルを獲得した。400メートル決勝で4分32秒33で3位に入った。自己ベスト4分30秒82には及ばなかったが、前回大会の200メートル銀メダルに続く表彰台となった。今大会は22日の200メートル決勝では平泳ぎの泳法違反による失格。失意の号泣から中5日で迎えた本命種目で立て直した。最終日に女子で今大会初のメダルを獲得した。

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前半から積極的に前に出た大橋は、意地を見せるかのように後半も粘りの泳ぎを見せた。結果は銅。目指している色ではなかったが「立て直すのなんて本当に昨日のこと。チャレンジするしかないと思った。自分をほめたいです」。目はかすかに潤んでいた。

まさかの失格から立ち直った。22日の200メートル個人メドレー決勝。平泳ぎにターンした際に、水中でドルフィンキックを2度打ったとして泳法違反で失格した。両手で顔を覆って号泣。出場の選択肢があった混合400メートルメドレーリレーも不出場。「気持ちがこの5日間、ヘロヘロで予選落ちもあるかなと思った。失格は実感がなくて…」という。

ただ失格がなくても6着だったことに思い至った。不本意なレース後に涙を流すことも多いが「一生懸命準備したことを無駄にしたくない」と開き直った。平井ヘッドコーチからは「ここで立て直したら大したもんだ」と言われた。予選を全体2位通過も「メダルがとれるかどうか、わからない。でも全部を出し切ったというレースをしたい」。

17年大会銀メダルで新ヒロインになった。だが周囲の期待が高まり、不安があると言葉数が減った。「ブダペストはとても楽しかった…」。5月、オーストラリア合宿から帰ると成田空港で平井HCが待っていた。車で東洋大のプールへ。泳いでいると平井HCもザブン。プールの中で約40分話し合った。「不安があったら、うまくおれを使え」と言われ、気持ちが楽になった。

無印マークで突っ走った2年前と違う。堂々の「メダル候補」として臨み、失格から復活の表彰台。「来年はもっと積極的なレースをして金メダル取れるように頑張りたい」。東京五輪に向け、最後に勝ち取ったメダルが道しるべになる。