女子フルーレで辻すみれ(19=朝日大)が初優勝した。クラシックバレエ仕込みの柔軟性を生かし、カウンター攻撃を連発。準決勝で3連覇を目指した東晟良(せら)を下し、決勝では日本代表として6月のアジア選手権をともに戦った菊池小巻を15-8で下した。女子サーブルは江村美咲(20=中大)が2連覇した。

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辻は体をくねくねと曲げたかと思えば、スムーズな開脚で相手の攻撃を回避した。剣先を幾度となくかわし、正確なカウンター攻撃で得点を重ねた。準決勝では女子フルーレ随一の攻撃力を誇る東に6-5と守り勝ち。決勝でも的を絞らせない防御を武器に競り勝った。「今日は自分の武器のカウンターが結構入った。しっかり試合に集中できた。優勝できてうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

独特な動きの原点は幼少期にあった。小学3年までの約5年間、クラシックバレエを習っていたという。体の柔軟性と芯の強さを養い、今のスタイルにつなげている。「体をひねって相手に突きにくくしたり、変な体勢になって有効面を絞らせない。それでいて体勢も崩れないのが強み」と胸を張った。

日本一になったが「世界相手にはまだ通用しない部分がある。守りだけではなくて自分も攻めないといけない。両方磨きたい」。東京五輪の団体戦メンバー入りに向けて向上心を見せた。