結成3カ月の三浦璃来(17)木原龍一(27=ともに木下グループ)組が117・53点を記録し、合計179・94点でともに自己ベストを更新する歓喜の演技で8組中5位と躍進した。

冒頭の3回転ツイストリフトでスタンドを沸かせると、続く3回転-2回転-2回転のトーループの3連続ジャンプも息ぴったり。3回転サルコーのスロージャンプでこそ転倒はあったが、夏から組んだとは思えないコンビ力で、演技後には2人がガッツポーズでシンクロした。木原は「自信が1つ増えました。ペアやってから最下位ばかり。向いてないのかな、止めた方がいいのかな」とまで悩んでいたという。実際に最後はシングルスケーターとして国体に出て引退する考えまであった。そこで出会ったのが三浦だった。

その三浦は「木原選手と組めて本当に良かった」と感謝する。この日の午前練習でもうまくいかずに落ち込んでいる時、朝食に誘われた。「スケートに関係ない話をして、心が落ち着いた」。実は「心が折れそうだった」と告白すると、木原が驚いて苦笑。「笑わんといて」と三浦が照れ笑いする場面もあった。

目標としていたフリーの115点を早くも超えた。10歳年上の優しい言葉に勇気づけられる高校生という新米ペア。息ぴったりに急成長を続けていきそうだ。