テニスの4大大会、全米オープンの女子シングルス決勝で、世界9位の大坂なおみ(22=日清食品)と、元世界女王で、同27位のビクトリア・アザレンカ(31=ベラルーシ)が対戦する。年齢は9歳差で、アザレンカの経験が勝るが、ともに4大大会で2度の優勝を誇り、3勝目を狙う。

両者は、直前に行われた前哨戦のウエスタン・アンド・サザンオープン決勝で対戦するはずだった。しかし、大坂が左太もものけがで、戦わずして棄権。対戦はならなかった。アザレンカは「やっと対戦できる。楽しみ」と、準決勝でセリーナを下した後、話している。

大坂は、新型コロナウイルスで中断した世界ツアーが再開後、1度も負けていない。前哨戦の棄権は、戦っていないため、公式記録では勝敗には数えない。前哨戦で4勝、全米で6勝の10連勝中だ。アザレンカは、復帰後の米レキシントン大会こそ1回戦で敗れたが、その後、やはり10連勝中だ。勢いに差はない。

統計の数字を見ると、お互いの特徴がよく分かる。サーブの安定感は、第1サーブの平均確率が56%の大坂に対し、アザレンカが71%と上回る。しかし、破壊力は、第1サーブの平均得点率で大坂が81%と、アザレンカの68%より上だ。ただ、安定しているはずのアザレンカが合計17本のダブルフォールトを犯していることは気になる点だ。

決定打は、合計142ゲームを戦った大坂は149本。116ゲームのアザレンカは124本で、1ゲーム平均で、1・049本と1・069本で差はほとんどない。しかし、凡ミスは、1ゲーム平均0・92本の大坂に対し、アザレンカは0・78本で、やや差がつく。

大まかに言えば、破壊力の大坂に対し、安定のアザレンカだ。しかし、大坂も、今大会は十分に安定感が増し、アザレンカに勝るとも劣らない。ただ、あまり前のめりになると、アザレンカの守備力とカウンターで、反撃される可能性も大きい。

対戦成績は、大坂の2勝1敗だ。16年全豪で、大坂が初めて予選を勝ち上がり、4大大会本戦デビューを果たした時に、3回戦のセンターコートで敗れたのがアザレンカだった。大坂は2ゲームしか奪えなかった。直近では、19年全仏2回戦で対戦し、大坂が逆転勝ちしている。

決勝は12日(日本時間13日午前5時予定)。

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◆大坂対アザレンカ対戦成績◆

16年全豪3回戦 ●大坂 0-2

18年イタリア国際1回戦 ○大坂 2-0

19年全仏2回戦 ○大坂 2-1

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◆アジア選手4大大会シングルス優勝 アジア選手が4大大会のシングルスで優勝したのは女子だけ。過去、李娜(中国)が11年全仏、14年全豪の2度優勝。大坂も18年全米、19年全豪優勝の2度。今回優勝すれば、大坂がシングルスでアジア最多優勝となる。

◆全米オープンテニスの女子シングルス決勝は、9月13日午前4時45分からWOWOWライブで独占生中継。また、WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信予定。