かえる軍団の冒険が終わった。短水路(25メートルプール)で競う競泳国際リーグ(ブダペスト)に初参戦した「東京フロッグキングス」(北島康介GM)は15日、終戦を迎えた。準決勝第1組で4チーム中3位で上位2チームの決勝を逃した。

北島GMは「チームに入ってくれた選手、コーチに感謝したい。準決勝で敗退となったが、満足感はある。ISL初参戦で収穫はあった。僕自身、貴重な経験をした」と振り返った。

準決勝は、格上の「エナジースタンダード(ES)」と「ロンドンロアー(LR)」の一角を崩すことを狙った。第1日の3位から、最終日の逆襲を狙った。

女子200メートルバタフライで長谷川が1位をとって反撃のノロシ。かえる軍団のストロングポイントである男女400メートル個人メドレーは萩野、大橋が勝利。この3人と女子400メートル自由形のリア・スミス(米国)は、予選リーグからその種目で負けなしのISL5連勝を飾った。長谷川は「2分3秒台を出し続けられたし、勝ち続けられた」。萩野も「自分の中でチャレンジしてここまでやれた。レースに対するマイナスイメージはない」と胸を張った。

ただ得点が2倍になるリレー種目では大きく苦戦した。また大量得点となる3分サイクルのISL独自ルール「スキンズレース」ではこの日、男女ともに1回戦敗退だった。準決勝第1組は2つの世界新が誕生。女子50メートル背泳ぎでトゥサン(オランダ)が25秒60、男子100メートル平泳ぎでピーティ(英国)が55秒49をたたき出した。予選リーグと違って、他チームも準決勝で一気にギアを上げてきた。

北島GMは、敗因について「実力不足。個人で優勝する選手の数はひけをとらないが、リレーでのポイントが多くとれないことが敗因でもある。まだまだチームを強くしたい。僕も引退して、また水泳の現場に戻るチャンスを与えてもらった。来年を楽しみにしてほしい。ISLには(ポジティブな)可能性しかない。新しい水泳のあり方を示してくれるリーグになるのではないかと思う」とした。【益田一弘】