13年連続43回目出場の昭和学院(千葉)が、29年連続出場の岐阜女を土壇場の逆転で下し、2年ぶりのベスト8を決めた。

ともに複数の優勝経験をもつ強豪対決。昭和学院は第1クオーター(Q)終盤以降、1度もリードできないまま12点のビハインドで第4Qに入った。着実に差を詰めて迎えた残り1分45秒。三田七南(さんた・なな)主将(3年)が、ゴール正面からジャンプシュートを決め、65-65。ファウルを誘って得たフリースローも沈めた。勝ち越し。その後はチームメートがフリースロー4本を丁寧に決めて逃げ切った。第3Qには最大16点差をつけられながら粘り切った。

「私が4ファウルで(第3Qに)ベンチに下がっている間も、みんなが我慢してくれていた。だから、最後は自分が決めるつもりで、ファウルを恐れずにプレーしました。シュートは『必ず入る』と思って打ちました」。勝負強いプレーで勝利を呼び込んだ三田の頬は、感激で赤く染まっていた。

岐阜女のナイジェリアからの留学生センター、186センチのイベ・エスター・チカンソ(3年)対策が勝因だった。鈴木親光監督(52)の指示は「点を取られるのは仕方ない。だから余分なファウルはするな。それよりも、その後のプレーに集中しよう。勝つとすれば競り合い。負けなら大敗だ」。失点は覚悟の上。取られても取り返し、しぶとく食らいつく戦いを徹底した。イベ1人に38点を許したが、昭和学院は三田の最多14得点を筆頭に5選手が2ケタ得点をマーク。総力戦で追い上げ、相手にプレッシャーをかけた。

「岐阜さんも優勝を狙っていたと思います。私たちも同じです。2年前に桜花学園さん(愛知)に勝ったときは、本当にうれしかった。あのときはベスト4だったので、今年の目標は全国制覇です」。クリスマスに三田=サンタがチームに白星をプレゼントした。34大会ぶり6回目の優勝へ勢いがついた。