19年以来2度目の優勝を狙う世界ランキング3位の大坂なおみ(23=日清食品)が、自己最多の15連勝をマークし、大会の開幕戦を快勝した。同39位のアナスタシア・パブリュチェンコワ(ロシア)に6-1、6-2でストレート勝ち。この1勝で全豪通算16勝となり、伊達公子に並び日本女子歴代2位の勝ち星数となった。2回戦では同43位のガルシア(フランス)と対戦する。両者は初対戦。

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昨年に続き2年連続、大坂の雄たけびで、全豪が幕を開けた。大会の顔とも呼べる第1日センターコートの第1試合。しかし、「毎年、少しずつ(このような大舞台に)慣れていくわ」と、わずか68分の圧勝劇。勝利の瞬間、「本当にハッピー!」と、軽く左手でガッツポーズで余裕の笑顔だ。これで6年連続で2回戦に進んだ。

オーストラリア入りしてから、試合中に声を発する場面が少なかった。接戦の場面もなかったが、この日は、最も重要な大舞台の幕開けだ。第2セットの第2ゲームで、相手のサービスゲームをブレークした瞬間、「カモーン!」。鳴りをひそめていた雄たけびが、センターコートにこだました。

それでも、「いつもそうだけど、前の日は眠れなかった」と、最初はナーバスになったという。「4大大会の1回戦で、絶対に負けたくなかった」。それも得意のハードコートだ。気迫で、その緊張を抑え込み、勝利に結びつけた。

前回の対戦での経験も役に立った。19年、大阪で開催された東レ・パンパシフィックの決勝で対戦し、大坂がストレートで勝った。「大阪で大坂が勝たなくちゃ」と、日本での初優勝を導いた幸運の相手。その時を思い出し、自分を奮い立たせた。

その東レから20年1月のブリスベン国際準決勝で敗れるまで、14連勝した。この日の勝利で、その記録を更新。自己最多の15連勝となった。その間に8月の全米前哨戦の決勝と、先週の全豪前哨戦の準決勝、2試合の試合前棄権があるが、試合をしていないので勝敗には数えない。

目指すは18年全米、19年全豪の4大大会連続優勝の再現だ。以前のような気持ちが簡単に揺らぐ大坂はもういない。「どんなことが起ころうと、いつもいい状態でいられる」。全米、全豪の連覇に向け、絶好のスタートを切った。

【吉松忠弘】

○…大坂が全豪本番でまとったのは、黒い柄の入った派手なウエアだった。前哨戦の真っ白なものから、一転。「(契約している)ナイキと私で話し合ったの。今まで、このようなのを着たことがなかったから、おもしろいと。みんなが気に入ってくれるとうれしい」と、ウエアも気合十分だ。

◆全豪オープンテニスは、2月8~21日、WOWOWライブで連日生中継。WOWOWオンデマンドでも同時配信予定。