常盤木学園(宮城)の女子スプリンター2人が春から新天地に進む。昨年10月の「全国高校陸上競技大会2020 リレー競技」で、女子400メートルリレーと同1600メートルリレーで同校初の全国入賞を果たした。入賞メンバーの竹内心良は中大、守屋憧里(しゅり、ともに3年)は大東大へ進学する。

東北陸上競技界の強豪が新たな歴史を刻んだ。竹内は当時のメンバーについて「個人の走力も高く、仲も良くて、先輩後輩で言い合えたチームだった」と振り返った。日本一を目標に掲げ、練習では修正点などを常に話し合い、試行錯誤を重ねて大会に挑んだ。400メートルリレー予選は目標の46秒50ジャスト。決勝は46秒84と落とすも7位入賞。1600メートルリレー決勝は、同校が15年に樹立した県高校記録(3分44秒04)に迫る3分44秒23で5位に入った。

リレーでは結果を残したものの、個人種目では高校最後の全国舞台で悔いを残した。同大会後の全国高校総体代替大会は女子400メートルにエントリー。しかし、竹内は左足の故障で当日に欠場。守屋は8位で全国初入賞したが、「もっと上を目指していたので悔しい。予選で自己ベストを出したのに、決勝は1秒も遅くなった。足の筋力や体力がなかった」と力不足を痛感した。

苦い経験を糧にする。2人は黒板に「インカレ優勝」と目標を記した。竹内は「400メートルを中心に自己ベスト更新、高校時代で成し遂げられなかった日本一を達成したい」。進学後は200メートルに転向する守屋は「スピード力や筋力、体力をつけたい。代替大会での悔しい思いを忘れずに4年間を過ごしたい」。高校3年間は同じ種目で競い、支え合った仲だ。別の道に進んでも、目指す場所は同じだ。【相沢孔志】

◆竹内心良(たけのうち・こころ)2002年(平14)11月30日生まれ、仙台市出身。中野中1年時に陸上競技を始める。常盤木学園2年時に全国高校総体400メートル、1600メートルリレーに出場。日本陸上競技選手権U-18男女混合1600メートルリレーで優勝など。自己ベストは200メートルが25秒11、400メートルは55秒90。160センチ。家族は両親と弟。趣味は音楽鑑賞。好物は肉。

◆守屋憧里(もりや・しゅり)2002年(平14)11月7日生まれ、宮城・名取市出身。増田中1年時に陸上競技を始める。常盤木学園2年時に全国高校総体400メートル、1600メートルリレーに出場。自己ベストは200メートルが25秒15、400メートルは55秒78。155センチ。家族は両親と妹。趣味は映画鑑賞。好物はいちごタルト。