全国高校ラグビー大会(27日開幕、大阪・花園ラグビー場)の組み合わせ抽選会が4日、大阪市内で行われ、3回戦までが決まった。1月3日の準々決勝は1日の試合後、5日の準決勝は3日の試合後の再抽選でカードが決まる。

春の近畿王者で選抜8強のBシード常翔学園(大阪第1)が“最激戦区”に組み込まれた。まずシード13校の振り分けで、同じBシードで選抜8強の石見智翠館(島根)と同ブロックが決定。初戦2回戦の相手はノーシードの強豪・中部大春日丘(愛知)と日本航空石川(石川)の勝者となった。

上位進出には少しでも“消耗”を減らしたい競技特性からすれば、厳しい現実だ。だがCTB山本大悟主将(3年)は「初戦はどっちが来ても一筋縄ではいかん相手。次が智翠館でしょう。でも、僕らは厳しい相手と戦っていかんと、本当の力が出せんと思ってますから」と前向きに受け止めた。

ノーシードながら「目標は優勝」を公言した前回大会は、3回戦で流通経大柏(千葉)に17-21で惜敗した。思い知らされたのはメンタルの弱さ。先を見据えて心の隙が生まれた。新チームは「先の目標を考える前に、目の前の1個1個に集中する」(山本)という意味を持つ「マインドフルネス」を合言葉にスタート。2月の近畿大会は2回戦で関西学院(兵庫)に36-19、準決勝で天理(奈良)に35-20、決勝で大阪桐蔭に34-17と競り勝つ試合を重ねた。その背景に心の改革があった。

野上友一監督(63)は言う。「厳しい相手かもしれんけど、勝ち上がるには全部とやらなあかんわけですからね」。出場40回目という節目の花園で、あと2勝に迫った花園100勝、そして6度目の頂点へ。原点に返り、1戦必勝で階段を上っていく。【加藤裕一】『「高校ラグビー2021」組み合わせ』はこちら>>