ラグビーの新リーグ「リーグワン」のコベルコ神戸スティーラーズ(旧神戸製鋼)は、日本選手権7連覇の偉業を達成した2日後となる1995年1月17日に阪神・淡路大震災に見舞われた。

あの日から17日で27年を迎える。

当時を知る人は年々、チーム内でも少なくなりつつある。だが、風化させないために毎年、震災が発生した時刻の午前5時46分に合わせて公式サイトなどに動画をアップしている。

「あれから27年

私たちはあの日を忘れない。

心に、火を灯せ。

これからも神戸で

一緒に笑い続けられますように」(原文まま)

27年前、神戸市内の10階建て社員寮は1階が崩壊し、選手は隙間をこじ開けて外に飛び出したという。

神戸製鋼所は本社が倒壊し、高炉(溶鉱炉)の損壊で企業の存続も危ぶまれたほどだった。当時の主力選手だった故平尾誠二さんは、ラジオで「皆で立ち上がりましょう」と呼びかけ、ラグビー部員はがれき処理に奔走した。

灘浜グラウンドは液状化現象となり、がれきが積まれて練習ができる状況ではなくなった。

震災からの復興-。

傷を負ったのは神戸の街だけではなかった。震災が発生した95年度は8連覇を逃し、そこから復活の道を歩む。

平尾GM、萩本ヘッドコーチの体制で00年度に日本選手権2連覇を達成。トップリーグが創設された03年度には初代王者に立った。

今年から開幕したリーグワンで、神戸はまさかの開幕2連敗。27年の時を経た今でも、ここからの復活こそが、チームに課された使命となる。

強く、たくましいスティーラーズこそが、神戸の象徴なのだから。【益子浩一】

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【94年度日本選手権(95年1月15日) 神戸製鋼の大東文化大戦メンバー】

1 中道紀和(同志社大)

2 弘津英司(同志社大)

3 清水秀司(明治大)

4 マーク・イーガン(オックスフォード大)

5 大八木淳史(同志社大)

6 武藤規夫(同志社大)

7 伊藤剛臣(法政大)

8 大西一平(明治大)

9 堀越正巳(早稲田大)

10 平尾誠二(同志社大)

11 増保輝則(早稲田大)

12 元木由記雄(明治大)

13 吉田明(京産大)

14 冨岡剛(青学大)

15 伊藤紀晶(同志社大)