リーグワン2部で花園(旧近鉄)の日本代表CTBシオサイア・フィフィタ(23)が、母国トンガへの思いを胸に今季初勝利を挙げた。

22日、花園ラグビー場でホーム開幕戦に臨み62-10で三重(旧ホンダ)に快勝。15日に発生した海底火山の噴火と津波で、現在も故郷の家族と連絡がとれない状況が続く。「私のルーティンは、(トンガの)お母さんに電話をしてから試合に行くこと。今日初めて電話ができなかった。絶対に今日、トンガのみんなに勝利を贈りたかった」と丁寧な日本語で語った。

20年度に天理大を大学日本一へと導いたフィフィタは攻守で起点となり、後半30分にはトライを奪った。「応援席を見たらトンガのフラッグ(国旗)がたくさんあった。日本のみんなが心配してくれている。感謝しかない」。花園はSHゲニアとSOクーパーのオーストラリア代表ハーフ団が、前半17分までに2人で21点を稼ぐ大活躍で暫定2位浮上。1部昇格へ、本拠地で躍動感ある姿を見せた。