【パリ=吉松忠弘】4大大会最多21度の優勝を誇る世界5位のラファエル・ナダル(35=スペイン)が、ロジャー・フェデラー(スイス)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)に次ぐ4大大会通算300勝の大台に乗せた。同139位のコランタン・ムテ(フランス)に6-3、6-1、6-4のストレート勝ち。3回戦で同29位のボティク・ファンデザンシュルプ(オランダ)と対戦する。

   ◇   ◇   ◇

マッチポイントで、ムテのロブがアウトになった。ナダルは左手を突き上げ、史上3人目の300勝到達を祝った。左利き同士の対戦で、地元選手が相手という嫌な流れだったが「全体を通していいプレーができて最高だった」。付け入るスキを与えずストレートで押し切った。

23日の1回戦ではトンプソン(オーストラリア)を破り、全仏シングルス通算勝利が106勝となった。これはフェデラーがウィンブルドンで持つ105勝を抜き、4大大会の単独勝利数としては最多となった。

記念すべき4大大会の初勝利は03年ウィンブルドン1回戦だった。当時76位だったナダルは、同68位のアンチッチ(クロアチア)と対戦。4セットで勝ち、3回戦まで進出。3回戦で同11位のスリチャパン(タイ)に敗れた。初めて3ケタに乗せた100勝目は10年全仏1回戦で、当時世界2位で同655位のミナ(フランス)に圧勝した。初勝利から約7年をかけて達成。200勝は16年全仏2回戦。それから約6年で大台に到達だ。

最も得意な全仏でさらに勝ち星を積み上げることが予想される。しかし、今回は第5シードのため、準々決勝で世界王者ジョコビッチが待ち受ける。突破しても準決勝では、後輩で今季4勝と勢いに乗るアルカラスとの対戦が予想される。

この日も地元選手よりも声援が多く、ナダルにとって全仏は最高の舞台だ。「声援の半分は僕を応援してくれた」。13度の優勝を誇る全仏で、さらに勝利を積み上げる。

◆4大大会男子シングルス最多勝 フェデラーが369勝60敗で単独トップ。最も勝利を挙げているのがウィンブルドンで105勝。続くのが102勝の全豪だ。2位はジョコビッチの324勝。最も勝っているのが全仏の83勝。続くのが全豪の82勝だ。

◆WOWOW放送予定 27日午後5時50分から。28日午前0時から。同日午前3時45分から。