ソフトボール女子の日米対抗が8日、横浜スタジアムで最終の第3戦を迎え、日本が1-0で米国に勝った。通算成績を2勝1敗とした。

金メダルを獲得した昨夏の東京オリンピック(五輪)以来1年ぶりの国内での国際試合。その決勝が行われた場所で永遠のライバルと再戦した。

先発左腕の後藤希友(21=トヨタ自動車)が、代表初完封となる7回3安打11三振の無失点で勝ち投手になった。攻撃は6回裏に決勝点。無死から原田のどか中堅手(太陽誘電)が右中間に三塁打を放つと、2三振の後、4番のDP(指名選手)藤田倭(ビックカメラ高崎)に出番が回る。打球はサード正面だったが一塁への悪送球となり、原田がホームを踏んだ。

ヒロインインタビューでは後藤が「ありがとうございました!」と大きく手を振った。毎回の11奪三振に「第1試合の反省を生かして臨めた。(2日前は)立ち上がりが良くなかったので今回は3回までいい投球ができた。できることを全力でやろうと思っていた。良かったです」と笑みをはじけさせた。

1年前は救援で金メダルに貢献。当時は無観客だったが、満員に近い有観客に「本来であれば五輪でも有観客で行いたかったので、今日はうれしかった。たくさんの応援ありがとうございました。(これからは後藤が引っ張っていく?)…と言えるように頑張っていきます!」と約束した。

原田はバースデーイブに「いい30歳最後の日になりました。(5回にチームを救った捕殺は)打てない時は守備と思っているので。後藤選手が踏ん張っていたので、持ち味の守備だ助けたかった。ギリギリかなと思ったけど、我妻捕手を信じて投げ込みました。(6回の三塁打も)気持ちを込めてガムシャラに打った結果。チームに言い勢いをもたえらせるように。抜けた時、もたついていたので一気に(三塁まで)行きました」と納得した。

有観客には「1年越しになるんですけど、皆さんのおかげで。今日は有観客で試合ができて、何とかチームジャパンが勝つ試合を見せたいと思っていたので良かったです」と感謝した。

宇津木麗華ヘッドコーチは「上野(由岐子)も後藤の年くらいで連投、連投、連投でやっていたし、今日は皆さん、後藤が見たいんじゃないかなと思って先発させました」とした。

野球・ソフトボール競技は24年パリ五輪から除外されたが「来年(28年)ロサンゼルス五輪で復活するか決まる。また金メダルを取れるといいなと思っています。3日間、暑い中、遠い中、ありがとうございました。これからも新しい日本を作っていきたい」と日本を率いる夢を膨らませた。

最後に、後藤をリードした我妻が「怖がらずに相手に向かっていく姿勢が、後藤のいいところ。捕手をしていてもすごいなと思いました。(上野との違いは?)年齢です」と笑わせた。東京五輪以来に「やめてしまった先輩たちの分まで、とバスの中から思っていました。若い力を見せられたと思う」と新生日本代表をアピールした。【木下淳】