【ニューヨーク=吉松忠弘】4大大会4度の優勝を誇る世界44位の大坂なおみ(24=フリー)が1回戦で敗れた。

過去3勝0敗と、1セットも落としていない世界19位で、全豪準優勝のダニエル・コリンズ(28=米国)に6-7、3-6で屈した。大坂は全米7度目の出場で初の1回戦敗退。これで日本選手のシングルスは男女3人が、わずか2日で全滅した。

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これが負け癖か。全体を通せば、とんでもなく悪いプレーではない。しかし、チャンスでどこか自信がなく、「特にフォアハンド。自分が打てると思ったショットが打てない」とフォアのミスで好機を逃した。

相手のショットは狙っていなくとも、出合い頭でオンラインに乗る。大坂のショットは少しだけ外れるなど、流れが敗戦へと導く。相手の合計9本のダブルフォールトも生かすことができず、1セットも奪えなかった。

第1セットは3-0、第2セットも先に相手のサービスゲームを破り2-1とリード。それでも波に乗れない。14日に閉幕した前哨戦トロント大会で腰を痛めたのが長引く。「早く腰の痛みなくプレーしたい」。

サーブの練習ができたのは、わずか2日前だ。それでも8本のエースを奪い、「腰の割にはサーブは良かった」と一定の評価を与えた。最後に4大大会に優勝したのが21年全豪。その時との違いは「ちょっとまだ分からない。分かっていたら、それをしているだろうし」。

今後は9月19日に開幕する東レ・パンパシフィック(東京・有明)に出場予定だ。「オリンピックでも無観客で、とてもさみしかった。ようやく観客の前でプレーできるチャンスがある」。19年に優勝した大会で、復活ののろしを上げることができるだろうか。

◆全米オープンテニスは、8月29日から9月12日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドとテニスワールドでも全コートでライブ配信される。