指揮官に「成長」を実感させる。Wリーグ・アランマーレ秋田が今日3日、神奈川・平塚市で皇后杯2次ラウンド白鴎大(栃木)戦に臨む。リーグ戦6試合中3試合で2桁得点を挙げた佐藤ひかる(28)が「小嶋さん(ヘッドコーチ)にアピールしたい」と意欲を見せた。勝利すれば翌4日にデンソー(Wリーグ)とファイナルラウンド進出をかけて戦う。

攻守で奮い立つ。チームでただ1人、1試合平均2桁得点の佐藤ひは「空いたら打つことは常に思っている。得点で表現できたのは良かった」と手応えを感じている。だが、それだけではチームは勝てない。強豪のトヨタ自動車、ENEOSとの試合を経て「(相手に)アジャストされた時にスリー(3点シュート)だけでなく、スクリーンをかけてチームメートをノーマークにするプレーを増やしたい」と今後の目標を掲げた。

勝つために粘る。山梨とのホーム開幕戦は延長戦で惜敗。佐藤ひは両軍最多の23得点をマークしたが、小嶋裕二三ヘッドコーチ(55)は「今日はディフェンスでもう少し頑張ってほしかった」と苦言を呈した。佐藤ひは「ディフェンスは課題。一発で(相手に)抜かれるなど、粘れないのがすごく目立つ」と現状を分析した。

ここ1カ月は「一発で抜かれない」をテーマに、相手の動きを観察して対応することを心がけた。だが、練習では守れても、試合で実践できるかどうかが重要だ。「スカウティングをしても違うことをやる相手にはまだ対応力がないと感じている。白鴎大戦が(成果を)見せられる場」と気合が入る。

皇后杯の記憶も鮮明にある。関学大4年の17年、同大最後の試合で、卒業後に入社する山形銀行(社会人)と対戦した。「緊張して何かできないということはあまりなかったが、その日は朝食を食べられないくらい緊張していた」。あれから5年。「積極的に攻めて貪欲に点数を狙い、ディフェンスでも受け身にならず、自分優位でできるようにしたい」。どこが相手でも、高めた技術で勝負する。【相沢孔志】