21年東京オリンピック(五輪)団体銀メダリストの石川佳純(29=全農)が4-1で勝利し、4強進出を決めた。

2年ぶりに進出した準々決勝はカットマンの佐藤瞳(25=ミキハウス)と対戦。強烈なボールをことごとく拾われ、首をかしげる場面が目立った。

2ゲーム(G)目までを取り合い、1-1で迎えた第3G。緩急をつけつつも、フォアハンドで同じコースへ攻め続け、11-9で奪取。第4Gでも6-9とリードされた展開から5連続得点で制し、その後も突き放した。勝利して会場を後にする際には、観客からひときわ大きな拍手を送られた。

タフなゲームで粘り勝ちし「我慢勝負で弱気にならず、ラリーを取られてもめげずに攻めていけた」と手応えを口にした。

現役最多5度の優勝を重ねてきた29歳は、小学生の頃から全日本に出場し続けてきた。初出場時を回想しながら「20年後もやれているのはうれしいです」と笑顔。「のびのびやれたらいいなと思います。プレッシャーや苦しいことはたくさんやってきたので、これからは自分のベストを尽くそうと思います」。誇りを胸に、年下選手と相対している。

明日29日の準決勝は同じサウスポーの早田ひな(22=日本生命)と対戦する。「バック対バックの展開になる」と予想し「自信を持って攻めることが大事。まずは自分の力を出し切ることを大事にしたい」と決然とした口調で言い切った。

2年ぶりの優勝まであと2勝としたが、石川の瞳は目の前の一戦に注がれていた。【藤塚大輔】