ショートプログラム(SP)首位の三浦佳生(17=オリエンタルバイオ/東京・目黒日大高)が大会史上最年少優勝を果たした。フリー189・63点の合計281・53点で、2017年大会のネーサン・チェン(米国)の17歳9カ月を更新した。

標高1800メートルを超える高地での試合。酸欠を覚悟しながら、滑りの緩急を考え、ジャンプも跳び続けた。4回転は後半のトーループでも切れ味と豪快さは落ちず。最終滑走で自己ベストを塗り替えて、戴冠をつかんだ。

優勝会見では驚きの告白で、報道陣をざわつかせた。「今日、衣装を忘れてきてしまって」。フリー「美女と野獣」に合わせた銀色が基調の勝負服を忘れてきてしまっていた。

「たくさんの方の力で衣装が届いて、そこからまずパワーをもらって。お客さんもそうですし、前に滑った(佐藤)駿とキーガン選手であり、もう全員の力がこう集まった最終形態がさっきの演技だったかなっていう風に思います。もう、パワー爆発みたいな」と感謝の言葉を述べたが、日本語が英訳されると、会見場には温かい笑いが満ちた。

また、別の海外メディアからの質問では「『美女と野獣』のプログラムですが、あなたはどちらなのでしょうか」と聞かれた。

その答えは…。「今日はもう完全にビューティー(美女)は最後のコレオのところだけしか、僕の横に現れたぐらいで。自分がビューティーにはなれないので、ちょっとビューティー成分がないので、ビースト(野獣)の方が似合っているかなって感じはします」。

英訳されると再び、会場には笑いが起きた。

その発言から「佳生節」とも称される三浦の言い回し。大舞台の優勝会見でも、変わらず、らしさ全開だった。

佐藤駿(19=明治大)がフリー178・33点の合計259・14点で3位、島田高志郎(21=木下グループ)はフリー143・79点の合計217・85点で11位だった。(米コロラドスプリングズ=木下淳)

◆三浦佳生(みうら・かお)2005年(平17)6月8日生まれ、東京都出身。昨季は全日本ジュニア選手権で初優勝し、4大陸選手権3位、世界ジュニア選手権13位。シニア本格デビューの今季はグランプリ(GP)シリーズで2戦連続2位、初進出のGPファイナル5位。オリエンタルバイオ/東京・目黒日大高2年。168センチ。

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