パリ五輪出場を目指すバレーボール男子日本代表「龍神NIPPON」は5月31日、6日から名古屋市ガイシプラザで行われる国際大会「ネーションズリーグ(VNL)」名古屋大会に出場する14人を発表した。

主将の石川祐希(27=ミラノ)は約1カ月のリーグ戦で「組織力」向上を掲げた。35歳の深津旭弘や早大1年の麻野堅斗(18)ら幅広い年齢層のメンバーを束ね、初の4強入りを目指す。

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世界を知る石川が、若手選手にコート内での“無礼講”を呼びかけた。「年齢とか代表1年目とかは関係ない。気を使っていては100%の力は出せない」。今季の大一番、9月のパリ五輪予選に向け、重要な実戦の舞台となるVNL。そのメンバーに、10代の麻野、甲斐らフレッシュなメンバーを含む14人が選出された。「大切なのは自分に責任を持てるかどうか。助けてもらう前提でプレーしない。1人でもやっていける選手になって欲しい」と、げきを飛ばした。

メンバー全員の力が必要になることは、イタリア1部リーグ・セリエAでの経験で痛感した。8季目となった22-23年シーズンは、途中から主将としてけん引。プレーオフで、無敗のペルージャを破るなどクラブ、自身ともに初となる4強入りを果たした。「チームが1つになってランキング上位のチームにも勝てた。日本も同じ立場にいる」。日本代表主将は3年目。「この14人だけでなくBチームもパリ五輪の切符へ同じ気持ちが必要」と、高い意識を浸透させていく。

日体大4年ながら、同じくセリエAでプレーする高橋藍も「『言われなくてもわかるだろう』というのは日本人の感覚。イタリアに行って、自分はこうだと伝える事が大切だとわかった」と口をそろえる。18歳から35歳と年齢層は幅広い「龍神NIPPON」。だが、シックスの視線の先にはVNL4強入り、そしてパリ五輪でミュンヘン大会以来52年ぶりのメダル獲得と、同じビジョンが映っている。【勝部晃多】