全日本シニア柔道体重別選手権(24、25日=大阪・大浜だいしんアリーナ)の女子52キロ級に新潟県警察の伊藤ななせ(26)が出場する。昨年は大会にエントリーしながら、直前に見舞われた左足甲の故障で出場断念。味わった悔しさを試合にぶつける。

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伊藤は、大会出場の準備を急いでいた。7日から13日までは母校・国士舘大で1週間の個人合宿。後輩や出稽古の実業団選手と練習を積んだ。「普段の練習相手は男子だけなので、女性特有のクネッとした動きに対する感覚をつかんだ」。練習に専念できる大会モードに入ったのは2月から。だからこそ1日1日の練習に手を抜かない。

新潟西署所属の交番勤務。例年なら11月から3月までは、大会出場がなければオフ期間だ。冬季は自主トレで体力維持に努める時期。しかし、全日本シニアに向け、今年は1月から週に1~2回、練習した。午後は通常勤務の午前練習だけだったが、大会まで1カ月を切った今月から1日を練習に費やすことができた。伊藤は「毎日練習できる環境を整えてもらった。コンディションを上げて1試合1試合を大事に戦いたい」と話した。

昨年は大会直前の左足甲の靱帯(じんたい)損傷で出場辞退。「手術して退院した日が大会当日だった」と伊藤は悔しさを忘れていない。それだけに、今年にかける決意は強い。初戦の相手は元インターハイチャンピオンの藤本彩月(SBC湘南美容クリニック)。「実績のある選手が集まったので簡単ではないけれど、一番の目標は優勝」と目標を掲げた。【涌井幹雄】

◆伊藤(いとう)ななせ 1997年(平9)6月7日、新潟市生まれ。国士舘大卒。柔道は漆山小1年から開始。相原中(神奈川)時代は全中個人8強。松商学園(長野)でもインターハイ個人8強。22年の全国警察選手権3位。中学から現在まで52キロ級。好物は焼き肉。152センチ、52キロ。血液型B。