仙台89ERSが、東地区首位宇都宮を土俵際まで追い詰めた。

104失点した前日23日から守備を修正。宇都宮の武器である3点シュート(3P)成功を半減(20本→11本)させ、接戦に持ち込んだ。迎えた第4クオーター、渡辺翔太(25)が約40秒の間に連続して3Pを決め、68-72と一時4点差まで詰めた。

最後は78-94と差を開けられたが、14連勝中の王者が肝を冷やしたのは間違いない。渡辺は「自分たちが連勝を止めるという強い気持ちを持って臨んだ。1人1人がファイトすれば勝てると信じていた」と悔しがった。地元栃木・大田原出身で、知人友人が多数、ブレックスアリーナ宇都宮にかけつけた。そんな中、今季2番目に多い12得点をマークしたが、充実感より悔しさの方が大きかった。

「ブレックスはゲーム運びがうまい。僕たちが追いつこうとすると確実に得点を決めてくるし、リバウンドを取ってくる。そのあたりの差が出た」。一方で、「僕たちの速い展開のバスケは武器になることも分かった」と収穫を口にした。

藤田ヘッドコーチ(37)は「選手たちはすべてを出し尽くした。誇りに思う」と言ったあと、「あと1歩、守備の細かいところが足りなかった」と振り返った。すべての経験を糧に残り15戦に挑む。【沢田啓太郎】