1月の能登半島地震で練習場所を失った小中学生を招いての柔道の交流合宿が27日、東京都文京区の講道館で行われ、被災地の石川県を中心に全国から参加した約40人が総本山の道場で元気いっぱいに汗を流した。

交流合宿は26日から28日まで実施。子どもたちは全国の柔道関係者からの寄付で上京し、講道館に宿泊しながら稽古に励む。柔道の創始者である嘉納治五郎の教えなど歴史を教わる座学の時間も設けられ、27日は実業団の強豪選手に稽古をつけてもらう機会もあった。

小学6年の新出海龍君は「大きな道場でみんなと柔道ができて楽しい」と笑顔。石川県珠洲市の自宅は津波で全壊し、家族と金沢市に移り住んだ。生活が一変する中で「今後へのエネルギーになる」と語った。

講道館の上村春樹館長は「短い期間だが、つらい思いを忘れて楽しんでほしい。子どもたちの生き生きとした姿は明るさをもたらす。被災地の元気の源になってくれれば」と願った。28日には石川県出身で2008年北京五輪男子代表の金丸雄介さんが指導に訪れる。