競泳女子で五輪3大会連続出場の池江璃花子(23=横浜ゴム)が29日、高校1年生の“自分超え”を誓った。

都内でパリ五輪日本代表の1次合宿に参加中。2大会ぶりの個人種目となる100メートルバタフライで、16年リオデジャネイロ五輪6位入賞タイム56秒86の更新を狙う。競泳の歴代日本勢最年長33歳で平泳ぎに出場する鈴木聡美(ミキハウス)ら、女子13人が約4カ月後の大舞台へ誓いを立てた。

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五輪選考会の緊張を解き、代表ウエアを着た池江が力強く誓った。「毎年『池江が世界に戻ってきた』というのを目標にしてきたけれど、1回も達成していない。去年と全然違うじゃん、と思ってもらえるような選手になり、オリンピックに戻りたい」。

昨年5月の欧州遠征時に男子の本多灯、松元克央と五輪直前合宿地のフランス・アミアンを訪れた。「また戻ってこられるといいね」。そんな会話を交わしたが、自信はなかった。それでも、秋から拠点をオーストラリアに移した新たな挑戦の成果は、タイムに表れた。今月の選考会では100メートルバタフライ準決勝で、白血病との闘病から復帰後ベストの57秒03をマーク。決勝で五輪切符をつかみ「(アミアン再訪を)実現できて心からうれしい」と喜んだ。

そして、本番に向けた明確な目標が定まった。16歳だった16年夏、リオ五輪決勝で記録した日本女子初の56秒台(56秒86)。「(パリでは)決勝に行きたい。一番はリオのタイムを超えるのが目標です」と誓った。

今合宿終了後は、オーストラリアで名伯楽ボール・コーチと強化プランを練る。拠点に腰を据える予定で「後半の持久力を、しっかりトレーニングしたい」。この夏、進化した姿を見せる。【松本航】