<高校ラグビー:佐賀工19-3秋田中央>◇2回戦◇30日◇花園

 秋田中央(秋田)が佐賀工(佐賀)に敗れ、08年以来6年ぶりの3回戦進出はならなかった。前半は守備を固め0-0で折り返したが、後半はU-17日本代表のNO8三浦駿平(2年)が得意のラインアウトでミスを連発。相手の強力FW陣にも押し込まれ、3トライを許した。

 秋田中央の日本一の夢が早くも散った。前半、平均体重94・1キロの佐賀工大型FW陣に何度も自陣深くに押し込まれても、こらえて0-0。だが風下に立った後半に調子が狂った。7分に自陣20メートル付近でスクラムを押し返され、そこからトライを奪われる。その後、PGで3点を返し4点差としたが、再び敵のFW陣にモールで押し負け、2トライを許した。SH徳原奨主将(3年)は「得意なスクラムで負けたのが一番悔しい」と振り返った。

 同じく得意なセットプレーでも力を出し切れなかった。186センチの長身に恵まれ、この夏U-17日本代表の日韓中交流戦でNO8を背負った三浦は、ラインアウトで高いジャンプをみせるが、何度もボールを落とした。「うまく手に付かず、投げる人とも息が合わなかった。あれで流れがいってしまった」と悔やんだ。「いつもはこんなはずじゃ…」。九州王者のプレッシャーに予想以上に心を乱された。

 1回戦若狭東(福井)戦の勝利で秋田勢160勝を達成した。この数は大阪、東京に次ぎ全国3番目。「ラグビー大国秋田」の代表として、目指すのは秋田工以来27大会ぶり、自校では初となる優勝だけだった。徳原は「日本一を達成できなかった…。秋田県の期待に応えられなかった」と悔しがった。だが3年ぶりの花園の経験は無駄にしない。2年生の三浦は「ディフェンスをしっかり鍛えてくる。絶対全国制覇を成し遂げたい」と前を向いた。【高場泉穂】