<柔道:世界選手権>◇30日◇オランダ・ロッテルダム

 3年後のロンドン五輪に向けたスタートの場と位置付けて臨んだ日本だったが、男子は複数階級で争われるようになって以来初めて優勝なしに終わり、金3個をつかんだ女子と明暗が分かれた。

 女子は48キロ級の福見友子(了徳寺学園職)、52キロ級の中村美里、63キロ級の上野順恵(ともに三井住友海上)と初出場の3人が世界一に。谷亮子(トヨタ自動車)や谷本歩実(コマツ)ら実績の豊富な選手が不在でも十分に戦えることを証明した。女子の園田隆二監督も「世界で戦える選手同士で切磋琢磨(せっさたくま)すれば、その階級のレベルが上がる」と期待を膨らませる。

 ただ78キロ級の中沢さえは1回戦敗退。78キロ超級の塚田真希(ともに綜合警備保障)は中国勢の壁を破れなかった。

 男子は惨敗だった。メダルは60キロ級、平岡拓晃(了徳寺学園職)の銀と100キロ級、穴井隆将(天理大職)の銅の2つだけ。ともに勝てたはずの試合を落とした印象が強く、悔やまれる。66キロ級の内柴正人(旭化成)、100キロ超級の棟田康幸(警視庁)らベテラン勢はふがいない戦いが続いた。

 全体的に技術では劣っていないだけに、篠原信一監督は、体力面の強化を優先する方針を示す。来年は東京での世界選手権を控えるが、ほかに有望な若手も見当たらない現状では苦戦も予想される。