一関学院が昨秋王者の花巻東を下し、12年ぶり4度目の優勝を果たした。

 一関学院の最速145キロ右腕佐竹城一郎(3年)が花巻東打線を黙らせた。2点リードでマウンドに上がった6回。「緊張した」と3四死球で1死満塁のピンチをつくるが、140キロ中盤の直球で押し、連続三振斬り。「1点取られてもいい」と野手陣の励ましも受け、4回無安打5三振で守りきった。

 中学時代に投手の経験はあるが、高校入学時は内野手。だが、1年秋に沼田尚志監督(55)から「肩が強い。素質がある」と見込まれ投手一本に絞った。昨年秋は最速138キロだったが、冬場にスクワットなどで体を鍛え、この春、球速は140キロを軽く超えた。花泉中時代にバッテリーを組んでいた高橋柊也捕手(3年)も「高校で伸びた」と驚く。背番号は13。厚い投手層の中でも最速の直球を持つ佐竹は「もっと球威を上げていきたい」。12年ぶりの春王者から勝負の夏へ、さらに武器を磨いていく。【高場泉穂】