柴田が石巻に逆転勝ちし、春は初めてとなる決勝進出と東北大会出場を決めた。3-8の9回表に4番佐藤優悟(3年)の2ランなどで1点差に迫ると9番佐藤健太(2年)の中前適時打と相手失策で勝ち越し。今日25日の決勝では今春センバツ出場の仙台育英と対戦する。

 柴田の「ダブル佐藤」がミラクル逆転劇の主役を張った。3-8の5点ビハインドで迎えた9回表の攻撃。2点を返してなお1死二塁から、4番佐藤優が左越えに2ランをぶち込んだ。「いい感触だった」という当たりは、コボスタ左翼席中段へ落ちる大飛球。高校通算7号は、チームにとっても1点差に迫る大きな1発だった。

 押せ押せムードは止まらない。さらに2死一、三塁から内野安打の間に同点とし、7回から代打で出場していた“スーパーサブ”佐藤健へつないだ。平塚誠監督(41)も「チャンスに強い」と信頼する代打の切り札は、好機を逃さず直球を中前へ運び、勝ち越しに成功。これに相手失策が絡み、土壇場で7点を奪う猛攻で試合をひっくり返した。

 初の決勝では、仙台育英と対戦する。相手エース佐藤世と中学県選抜でチームメートだった佐藤優は「世那の真っすぐを打ちたい」と意気込む。佐藤健も「東北大会優勝が目標です」。劇的勝利で勢いをつけた柴田が、昨秋の神宮大会王者を突破し県NO・1の座を狙いにいく。【成田光季】