22日開幕の秋季高校野球東海大会に2年連続で出場する藤枝明誠(静岡2位)は、22日の1回戦で美濃加茂(岐阜3位)と対戦する。1番の常磐勇汰外野手(2年)は、新チームでの公式戦の打率が5割4分8厘を誇るヒットメーカーだ。広角打法で美濃加茂エース左腕・池戸昇太(2年)を打ち崩す決意は十分。来春のセンバツに向けた重要な参考資料となる東海舞台での活躍をもくろむ。

 鋭い眼光で球を見極め、常磐は右へ、左へと安打を量産する。昨年も7番左翼で東海大会を経験済みだ。

 常盤 昨年は先輩にくっついて出るだけで、ミスを怖がっていた。今年は自分が引っ張る立場。失敗を恐れずに、確実にミートしていきたいです。

 身長173センチ、体重70キロの常磐は以前、引っ張るパワー打者だった。1番に指名され、逆方向を意識すると打率が急上昇。初戦の相手エースは最速135キロの直球が武器の左腕。一般に不利とされる左打者の常磐は「簡単には打てないと思います」と前置きした上で対策も強調。「しっかりと強く踏み込んで打ちに行きたい」と意識した。

 中部地区大会決勝では静岡の池谷蒼大(2年)、県大会決勝で聖隷クリストファーの河合竜誠(2年)ら好左腕と対戦した。打席で立つ位置を前寄りに変えたり、体が開かないように右足をやや内側にして構えるなど工夫を重ねた。

 常磐 左ピッチャーには体が開いたら負け。ボールに逆らわず、チャンスで打てるように頑張りたい。

 2年連続の東海大会。光岡孝監督(38)は「昨年は出るだけで満足していたが、今年は『勝つぞ!』という雰囲気ができている。常磐や中田(悠斗=2年)は経験もあり、そこがいかに機能するかが鍵」と分析する。常磐の「ヒットパレード」が、味方打線をリズムに乗せる。【鈴木正章】