22日に行われた第82回選抜高校野球大会1回戦で向陽(和歌山)に1-2で敗れた後、「21世紀枠に負けて末代までの恥。もう野球をやめたいし、死にたい。腹を切りたい」などと発言した開星(島根)野々村直通監督(58)が23日、涙の謝罪を行った。午前中に日本高野連を訪れ、約30分間事情説明をした上で、不適切な発言だったことを認めた。

 甲子園球場で会見した野々村監督は「高野連と21世紀枠、向陽高校を侮辱する気はなかった。心からおわびしたい。抽選会後は地元から楽勝と言われ、中国大会王者として負けたら恥ずかしいと正直思った。試合後は悔しく、情けない気持ちでいっぱいだった」と説明。地元島根から日本一を目指す思いに話が及ぶと、涙を流して言葉に詰まった。

 同日午後にはバスで松江市内の同校に戻った。今後の進退について「ロマンを持って監督をしている。もう1度やりたい」と監督を続ける意向を表明した上で、「高野連に『不適格』と言われれば、従わざるを得ない」と話した。向陽に出向いて謝罪した同校の大多和聡宏校長(52)は「明日直接会ってから考えるが、何らかの処分は当然」と明言。退任させる可能性には「直接会ってから」と、否定しなかった。開星では全校集会を行い、今回の騒動を生徒に説明するなど、波紋は広がっている。

 野々村監督は甲子園を訪れる際、シルバーのスーツに黒シャツ、赤や黄色の柄が入ったネクタイに白い革靴というスタイルで現れた。日本高野連は侮辱的な発言があったとして、口頭で厳重注意した。小森年展事務局長は処分について「文書での報告をもらってからにしたい」と話した。