巨人は老練な黒田の前に今季初完封負けと沈黙した。唯一、得点のにおいが漂った8回無死一、二塁も小林誠が送りバント失敗。3点差でも目先の1点にこだわったが好機は消えた。三塁も踏めぬまま終戦。小林誠は「打てないなら決めないと」と反省し高橋監督は「何とか1つ、いい形を作りたかった」と振り返った。

 メジャー帰り右腕が40歳だった昨季は1勝1敗も防御率1・15。145キロを上回る速球でねじ伏せられるシーンも目立った。

 だが、この日はまた違った姿を見せられた。村田は「思ったより変化球が多かった」と技巧の組み立てに惑った。好調だった立岡も開幕7戦連続安打でストップ。「自分のスイングをさせてもらえないし、追い込まれる形になりやすかった」と主導権を握れなかった。

 最もギャップを感じていたのはギャレットかもしれない。09~11年にかけてメジャーで対戦し14打数5安打1本塁打と苦にせず。試合前には「1発はツーシームを左方向に運んだ記憶があるね」とイメージを掘り起こしていた。だが3打数無安打。35歳前後の黒田像との差に「球速は落ちたけど、いい投手であることに変わりはない。制球も良かったしシンカー、カットといろんな球を投げられた」と感じた。

 2戦連続で延長戦の4時間試合を制し、勢いも加速していたが停車。「たいして対戦もないし、苦手も得意もない」。高橋監督の頭に過去はなく、未来を見据えていた。【広重竜太郎】