ソフトバンク打線の軸は太い。打線を大幅に変更した日本ハム戦で、不動の4番内川聖一外野手(33)が期待にこたえた。1回に今季1号となる先制2ラン。連敗阻止に貢献した。5番に中村晃を置いた新打線は3回までに4得点。先発バンデンハークのデビュー以来10連勝(ポストシーズンを含めると12連勝)となる今季初勝利を援護した。
「不動」には理由がある。バットがそれを物語った。1回表2死三塁で、内川が4番の仕事を果たした。日本ハム・メンドーサのチェンジアップを捉え、東京ドームの左翼席に運んだ。今季1号となる先制2ラン。前日静岡でサヨナラ負けを喫したショックを、一振りでかき消した。
「先に点を取ったほうが絶対的に有利になる。望んだホームランではなかったが、良かったと思う」
相手右腕に対し、昨年は7打数5安打。相性の良さを今年もキープし、チームを勇気づける価値ある1発だった。
首脳陣は打線に刺激を与えるために、大幅なテコ入れを決断した。長谷川を1番に置き、5番に中村晃を起用。求めたのは「つながり」だった。1回に長谷川が内野安打で出塁すると、今宮の犠打で得点圏のチャンスメーク。まずは1点を取ることで、活性化を図った。工藤監督は「みんながみんな、調子がいいわけではない。点を取っていく中でタイムリーや長打が出る。早くチャンスを作ったほうがいい。4番がきっちりと仕事をしてくれた」と話した。3回には中村晃の犠飛などで2点を追加。指揮官は「もうちょっと試行錯誤していく」と模索する中で白星をつかんだ。
日本一を達成した過去2年、借金が「2」に膨らんだことは1度もなかった。強さの秘訣(ひけつ)は朝のエピソードからうかがえる。「まあ、コーヒーでも1杯、飲めよ」。静岡駅で、内川は声をかけられた。藤井、関川両打撃コーチからカフェオレのトールサイズをごちそうになった。そして新幹線で東京に移動。ささやかな味が幸運を呼んだ。「ホームランじゃ、安いですよね。いいものをごちそうしてもらえるように、がんばります」。ヒーローは冗談めかして言った。
打線変更というカンフル剤は打ったが、チーム全体は精神的な余裕がある。開幕から3カード連続で初戦を落としながら、勝率5割に戻した。今日3日は次世代のエース武田で、今季初のカード勝ち越しを狙う。【田口真一郎】



