巨人は精彩を欠き、球団創立者の故正力松太郎氏の地元でもある富山で完敗した。4回2死一、三塁の守備が象徴的だった。打者小川で一塁走者が飛び出した。挟殺プレー間に本塁を狙う相手の作戦は明白だ。だが田口から送球を受けた二塁手のクルーズが一塁走者を深追いしすぎて、三塁走者に突入され、送球も間に合わなかった。昨年パ・リーグのゴールデングラブ賞の助っ人は「難しいプレーだったが、結果的に判断を誤った」と責任を認め、高橋監督も「ホーム優先のはず」と指摘した。

 打線も小川の前に沈黙し、今季9度目の完封負けを食らった。8月は13勝12敗で2カ月連続の勝ち越しは維持した。だがライバル広島は17勝8敗と突き抜け、勢いの差は歴然だ。12ゲーム差は今季最多でマジックも急速に減少し、歯止めがきかない状況だ。指揮官は9月へ「どの試合も一緒。同じ気持ちで戦わないといけないのは変わらない」と基本指針を再度、示した。

 ◆巨人田口(6回2失点で7敗目を喫し、自身の連勝も6でストップ)「チームに勝ちをつけられず、貢献できなかったことが悔しいです」