晋太郎よ、大谷に勝て! 阪神金本知憲監督(48)が13日、今季7勝にとどまった藤浪晋太郎投手(22)に対して「闘魂全開」のススメを説いた。同学年で高校時代にともに甲子園を沸かせ、日本ハムを優勝に導いた大谷翔平投手(22)を引き合いに出し「ライバル宣言」を促した。体つきも劣っていると指摘。来季は心身ともに「大谷超え」がテーマになりそうだ。

 現役時代に闘志満々だった鉄人ならではの単刀直入な心情だった。今季、不本意な成績に終わったエース藤浪に求めるのは「ライバル心」を隠すことなく燃やすことだ。ターゲットはもちろん、高校時代からともにスターだった日本ハム大谷だ。今季、大活躍の剛腕を引き合いに出して言う。

 金本監督 本人は比較されるのが嫌みたいだけど。そういう話を聞く。でも正直、負けている。同い年で「負けるか!」という気持ちを持ってくれていると思うよ。堂々と持っていい。「大谷に負けています。そのうち勝ちます」と言えばいい。内心では闘争心があると思う。悔しい思いは。本音を言っていけばいい。

 昨季までの藤浪は、投打の二刀流に挑戦する大谷に劣らず、存在感を示した。だが、今季は7勝11敗、防御率3・25にとどまり、新人イヤーからの2桁勝利が3年で途切れてしまった。対照的に大谷は10勝&22本塁打とスケールアップ。6月の交流戦では、最速163キロなど、160キロ台を連発するのを目の当たりにした。底知れぬ力量を痛感したからこそ、クールに映る自軍のエースに物足りなさを覚えるのだろう。

 指揮官が指摘したのは線の細さだ。藤浪が197センチ89キロに対して大谷は193センチ、92キロ。金本監督は「大谷やダルビッシュと背が高いとか似たような体格。でも肉付きがまったく違う。圧倒的な球威の差を見せつけられると…」と説明。ダルビッシュも196センチ、100キロの巨体が武器だ。

 今オフは肉体改造も重要なテーマになる。屈強ボディー&バランスを求め、筋力トレーニングも課す。心身とも合言葉は「大谷を追い越せ」だろう。藤浪は新人時、大谷をこう評した。「周囲はライバル関係にさせたがりますけど、自分はあまりライバルとは思ってない。同期の仲間。一緒にお互い刺激しあって、一緒にプロ野球を盛り上げるために頑張れる」。この4年間、わが道を突き進んできた。目の前にある大谷の背中をどう見るのか。指揮官が火を付けようとするのは、胸中でたぎる勝負根性だろう。【酒井俊作】