4番三塁、空けとくぞ! 阪神金本知憲監督(48)が3日、新助っ人エリック・キャンベル内野手(29=メッツ)に対し、かつての超優良助っ人マートン級の働きを求めた。中距離打者と分析しながら「勝負強ければ」という前提で4番起用をイメージ。春季キャンプからのマイペース調整も認め、「ここぞのキャンベル」に期待をかけた。

 スコアは0-1。甲子園は緊迫した雰囲気のまま、9回裏2死二、三塁を迎えた。4番キャンベル。ここで逆転サヨナラ2点打を決められる男だと、指揮官はイメージしている。

 金本監督 ホームランを打てる4番が理想かもしれないけど、それ以前に勝負強い、チャンスに強いという方が大前提かもしれんね。どうしても1点ほしい、打ったら勝ち、打たなかったら試合が終わる、というところで、どうやって打ってくれるか。それが打者の価値だと思っているから。

 前日2日、球団がキャンベルとの正式契約を発表した。喉から手が出るほど欲しかった右打ちの三塁手だ。指揮官は「中距離ヒッターかな」とタイプを分析し、「マートンみたいになってくれればいい」と期待。たとえ大砲でなくとも、4番を任せる可能性があることを明かした。

 金本監督 チャンスに強かったら、もちろん(ある)。マートンも4番を打っていたわけだしね。

 まやかしの数字では納得しない。指揮官は「いい場面での得点圏打率ね。接戦での得点圏打率」と説明する。キャンベルは今季、3Aで得点圏打率3割4分8厘をマーク。走者なしでの打率2割8分7厘と比較すれば、勝負強さがうかがえる。満塁打席では10打数4安打の打率4割。4番の素質は十分だ。

 新助っ人は前日、球団を通じてコメントし、日本式の練習スタイルに適応すると誓った。米国より2週間ほど早い春季キャンプ開始にも対応する意気込みだが、指揮官はあえて手綱を緩める方針だ。

 金本監督 外国人選手は特別。環境も違う。開幕に合わせてくるだろうし、そういうのは尊重してやりたい。キャンプインに万全で来い、とは言わない。

 マイペース調整を容認。メンバー表の「4番」に三塁キャンベルを書き込めると信じ、本領発揮をどっしり待つ。【佐井陽介】

 ◆エリック・キャンベル 1987年4月9日、米コネティカット州生まれ。ノーウィッチ・フリー・アカデミー高からボストン大を経て、08年ドラフト8巡目でメッツと契約。14年にメジャーデビューした。内野全ポジション、さらに外野を守った経験がある。メッツのスター選手デビッド・ライトが故障した15年には、代わって三塁を守った。191センチ、98キロ。右投げ右打ち。