中日岩瀬仁紀投手(43)が今季最終戦で、20年間の現役生活を締めくくる最終マウンドに上がった。9回、同点に追いつかれてなお2死三塁で佐藤からバトンを受け登板。今季限りで退任する森監督から直接ボールを受け取って慣れ親しんだマウンドに立った。

98年のドラフトで同期入団した、かつてのチームメート代打福留と対戦。直球の後スライダーを続け3球で空振り三振に打ち取り、現役最後、通算1002試合目の登板を終えた。マウンドで帽子を取り、汗を拭うとホッとしたような表情をみせた。

「最後にまさかああいう展開で出るとは。楽しく笑って投げようと思ったけど、普段通りと同じで終わった。これも野球の怖さと思った。最後の最後までアウト1つの苦しみがよく分かった」とベテランも苦笑い。

試合後の引退セレモニーでは阪神藤川、チームメートの山井から花束を受け取った。中日ファンや首脳陣、チームメートに感謝を述べた。阪神ファンに向けては「精神的にもおどおどしていたけど、甲子園のヤジは怖かったです」と、あいさつ。対戦をした阪神福留、藤川、元中日の高橋聡らに感謝の言葉をつむごうとした際には、おえつをもらした。最後は、ナインの手で胴上げされ、8回宙を舞い、鉄腕がユニホームを脱いだ。