<ソフトバンク4-5ロッテ>◇26日◇福岡ヤフードーム

 開幕から突っ走ったソフトバンクは5連勝で一時停止した。プロ初先発の甲藤が6回5失点。今季最大ビハインドを背負いながら打線は4点を返し、1点差まで肉薄。ただこの日ばかりはミラクルは再現されなかった。「惜しかったけどね。いいところまでいったが、今日はもうひと押しが出なかった。本塁打が出ないチームとしては5点は重かったな」。本拠地ヤフードーム、そして王監督が今季初めてため息をついた。

 2度の走塁ミスが悔やまれた。5回2死一、二塁。打者松中の初球に重盗を企画したが、多村は二塁から一塁に引き返してしまい、挟まれた末に憤死。「ファウル」という西岡のささやきを素直に受け入れてしまった。その間に川崎が何とか本塁を陥れたが、反撃ムードに水を差した。秋山チーフコーチは「西岡に言われたらしいな。オレも現役時代にあったが、審判に確認しないと」と指摘した。

 1点差で迎えた8回1死一塁でも単独スチールで飛び出した代走森本が、本間の一邪飛で一塁に戻れず、併殺。こちらはベースカバーに入った西岡の動きに「ゴロと思った」という。二塁を回って飛球に気づいたが、ベースを踏まずに帰塁するドタバタぶり。王監督も「なーんか、不思議だよね。積極的に前の塁に行こうという意識は分かるけど、結果的に空回りした」と首をひねるしかなかった。

 成績に表れていないものを含めたバントや走塁の小さなミス。3度のサヨナラ勝利を含む5連勝の中にも小さなほころびは見え始めていた。「選手が集中してやれていない」と首脳陣の判断で、この日からはバント練習を変更。本塁付近にいることの多いコーチ陣から見えやすい右翼寄りでのバントを命じ、報道陣の取材も一部規制した。大けがになる前に王監督は手を打とうと動いていた。

 それでも開幕2カードで5勝1敗。「数字的には当初考えていたものよりいい。でも今年は振り返ることはしないよ。次の西武戦を頑張るだけだよ」と王監督。自分たちの足で6年ぶりの開幕6連勝こそ逃したが、課題が明確になったのは収穫だった。【押谷謙爾】

 ソフトバンク多村(5回の盗塁死について)「何もありません」