<楽天11-4阪神>◇3日◇Kスタ宮城

 絶対的な安定感を誇ってきたベテラン下柳が楽天打線に打ち込まれた。1回のつまずきがすべてだった。1死二塁から2者連続でストレートの四球を与える。フェルナンデスの併殺崩れの間に同点に追いつかれ、さらに2死一、三塁で、中島に左翼フェンス直撃の2点適時二塁打を許した。

 久保チーフ投手コーチは「投手は立ち上がりにリズムをつかむまで、時間がかかる。下柳らしくない、ボールが少し高かった」と評した。2回には2死一、二塁で、リックの左中間への飛球に金本と赤星がお見合いして後逸するミスもあってさらに2失点…。3回に中島に今度は左翼ソロ弾を浴びて万事休す。今季最短の3イニング6失点で降板。今季初黒星は、楽天戦登板5試合目の初黒星となった。

 「仙台のファンに申し訳ないし、チームのみんなにも申し訳ない」。そう言ったきり、バスへと乗り込んだ。記念の勝利と縁遠い。阪神では49年若林以来59年ぶりの40歳以上での勝利投手を狙ったが、3度目の挑戦でも達成できなかった。

 2日に開幕投手の安藤が疲労性腰痛のため2軍に降格したばかり。先発陣の柱として期待がかかる一戦でもあった。開幕からの連勝は「5」でストップ。ベテラン左腕も楽天の勢いに飲み込まれた。【酒井俊作】