<巨人4-0西武>◇8日◇東京ドーム

 巨人が内海の力投で再び勝率を5割に戻した。内海哲也投手(26)が、前回の巨人戦で2戦7発を浴びせた強力西武打線を8回3安打無失点に抑え込んだ。強気に内角を攻め、原監督からも抜群の出来と評価される投球だった。打線も8回にラミレスの適時二塁打から一挙4点で均衡を破り、内海に4勝目をプレゼントした。チームは今季2度目の4連勝と上昇ムードで、9日に初の貯金を狙う。

 ターゲットは打者の懐だった。相手は強力西武打線。臆(おく)することはない。内角に向かって、内海は腕を振り続けた。6回2死一、二塁、G・G・佐藤は外角スライダーに当てるのが精いっぱい。懐を意識させたことで本来の打撃をさせなかった。ピンチを脱すると一塁ベース上で左腕を突き上げた。「こん身のガッツポーズでしたね」。8回を3安打無失点、三塁を踏ませない快投だった。

 攻撃的なスタイルは、あふれ出す闘争心で拍車が掛かった。「試合前に監督からインコースを使っていけと言われたので、意識しました」と言う通りの強気な投球。前回の2連戦で6安打3本塁打されたG・G・佐藤、4安打5打点の中島には特に厳しく内角を突いた。ベンチの外から見ていたが、長打を警戒し、外角を痛打された反省点を生かした。打者によっては、走者がいなくてもクイックモーションで投げ“体感スピード”を増幅させた。守備でも7回無死一塁、ボカチカの投前バントに猛ダッシュして併殺。前回登板のオリックス戦では自らの悪送球で失点したが、同じ轍(てつ)を踏まなかった。

 ただの「快投」ではなかった。今季2度目の中4日での先発は奇襲だった。登板日前日のブルペンでの投球練習は、通常の半分以下でわずか10分足らず。バント練習も行わず、ダッシュも1本だけだった。「みんなだまされたんじゃないですか」と、おどけた。自らの調整を崩し、チームを最優先にする姿勢、マウンドでの振る舞いには、グライシンガーも感銘を受けている。「ボールはもちろん、ひたむきな姿勢が素晴らしい。内海はNO・1の左腕だ」と絶賛。投球だけでなく、ファア・ザ・チームの精神をナインに浸透させている。

 内海に関して普段は辛口の原監督も「今年群を抜いて一番の出来だった。中4日でもいいピッチングができたので、次は中3日で投げさせようかな」と冗談が飛び出すほど。巨人を背負って立つ左腕が、強気な投球を完全に復活させた。5月28日の楽天戦に続いて勝率を5割に戻し、巻き返しを図るチームに勢いを与えた。【久保賢吾】