<横浜2-9巨人>◇9日◇横浜

 横浜はついに99年以来となる球団ワーストタイの開幕6連敗。脆弱(ぜいじゃく)な投手力、ジリ貧の打線…。こんなときこそ、経験豊富な選手の起用がひらめいてもいい。開幕から若手を積極的に起用しているが、重圧の度がすぎれば能力ある若い芽も摘みかねない状態だ。

 2点を追う5回1死一塁。巨人グライシンガーの制球が乱れ、バント狙いの投手ウォーランドが四球で歩いた。一、二塁。押せ押せの場面で、ルーキー松本啓二朗外野手(22=早大)はチェンジアップに空振り三振。制球に苦しむ相手にファウルで球数を稼げず、最低でも右方向への進塁打も打てなかった。

 2回も先頭吉村が同点ソロを放って内藤、石川が連続安打で続いた。送りバントで1死二、三塁。この好機にルーキー細山田武史捕手(22=早大)は見逃し三振。カウント2-2で外角直球に手が出なかった。これでは流れは一向につかめないはずだ。

 開幕から4試合「1番中堅」で起用している松本は17打数無安打で打率ゼロ。プロの配球、リードのリズムをつくれない細山田も打席での集中力が感じられない。試合後、大矢監督は松本をかばうように奮起を促した。「打てないと風当たりも強くなるが、はねのける根性があるかどうか。力のある選手だし多く試合に使いたい」と話した。

 目先の勝利に目をつぶってでも、将来的なことを考え実戦で若手を育成する方針も理解できる。しかし現状では昨シーズン94敗と同じ失敗の繰り返しだ。金城、佐伯、森笠らベテランのコマもある。1つ勝てば違った展開も望める。今こそ経験の力を借りたいところだ。【山内崇章】

 [2009年4月10日8時53分

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