今季で阪神を戦力外になった今岡誠内野手(35)が11日、甲子園室内練習場で行われた12球団合同トライアウトに参加。打撃で実力を発揮し、広島入りが有力となった。広島は川端編成部長らが視察し、03年首位打者、05年打点王に輝いた実績を考慮した上で獲得へ前向きな姿勢を見せた。条件面をクリアできれば「カープ今岡」が誕生する。

 広島が今岡獲得に照準を定めた。雨のため、甲子園室内練習場で行われたトライアウト。投手との対戦で目立ったのが、今岡だった。視察した川端編成部長は「阪神では(復調の)きっかけを完全に失ってしまったが、環境を変えれば、きっかけをつかめると思う。まだまだできると思う」と高く評価した。

 8打席で安打性の打球は2本だった。だが3四球で選球眼の良さを見せ、外角球を右へ流す持ち前のバットコントロールも披露した。広島は今岡をビデオで撮影するなど、強い関心を寄せた。川端部長は「長引かせる話ではない。(早く)結論を出せればいい」と説明した。

 12日に球団で松田オーナーをまじえ、映像をチェックする予定。現状を把握した上で、同オーナーが獲得への最終的な結論を下す。トライアウトを視察した他10球団の今岡への評価は決して高くなく、獲得意思を示したのは広島だけで移籍先として有力候補に浮上した。

 球団は現在一塁を守れる右の新外国人をリストアップしているが、球団関係者は「(外国人と比べ)今岡の方が全然いい」と話した。主砲栗原が三塁守備に挑戦しているが、確定していない状況。一、三塁を守れる今岡は、補強ポイントと合致する。03年首位打者、05年に打点王の実績は抜群で、復活すれば大きな戦力となる。

 トライアウトを終えた今岡は「久しぶりに緊張したよ。この日で他球団に評価してもらって。打つ方も守る方も人の判断。この日に合わせてやってきた」と話した。25日の神宮球場での2回目のトライアウトには参加しない意向。プロ13年間のすべてを出し尽くして吉報を待つ。

 [2009年11月12日8時7分

 紙面から]ソーシャルブックマーク