日本ハムに「さかなクン」が誕生した。ドラフト5位の増井浩俊投手(25=東芝)が12日、地元の静岡・焼津名物マグロを有効活用してスター街道を突き進むことを誓った。マグロの水揚げ高で日本一の焼津港の近くで育ち、海産物が大好物。マグロのキャラ、大漁旗を利用しての個性あふれる応援をファンに熱望。故郷とともに自身の猛アピールへつなげるプランだ。

 胸に抱く不朽のマグロ愛を抑え切れなかった。千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレ初日のこの日、増井は海産物王国・北海道を本拠地に置く球団で戦うための、壮大な計画をトロ(吐露)した。「焼津をもっと知ってもらいたい。(マウンドに上がったら)大漁旗とか上げてほしいですね」と、宣伝材料の1つを“焼津”にすることを決めた。

 生まれながらの大の魚介類好きだ。25歳の若さなら大トロ、中トロを好む場合が多そうだが「やっぱり赤身。刺し身ですね」と、ちょっと通なところを披露。サバなどの光り物はちょっと苦手にしているが、北海道でスタンダードなホッケ、シシャモなどにも目がないという。肉食系の選手は多いが「マグロは特にですけど、魚は好き」と思い入れを明かした。

 日本ハムでは、選手にマッチしたキャラクターを利用した応援スタイルが定着する。かつては巨人小笠原が打席に入ると、観客はイルカのぬいぐるみを手に声援。イルカで有名な東京・小笠原村にちなんだもので、風物詩だった。増井も同様のマグロ応援、または1勝に付きマグロ1頭の解体ショー…など構想は膨らむ。「プロはアピールも大事」とプレー以外での活躍に、早くも目を向けた。脂が乗った即戦力右腕は、マグロとともにプロという大海へ泳ぎ出した。【高山通史】

 [2010年1月13日10時13分

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