えっ!

 広島前田健太投手(21)がアーチスト宣言?

 12日、広島・廿日市市内の大野練習場でトレーニングを実施。13日には合同自主トレのため沖縄入りする予定で、同地ではロングティー打撃なども積極的に行う。08年に1本塁打を放ったが、昨季はノーアーチ。「ホームラン、打ちますよ!」と話し、2年ぶりのオーバーフェンスに意欲を見せた。野村新体制では投手陣の打撃も重視しており、率先してバットで真剣勝負に挑む。

 エースナンバーが本気で本塁打を狙う。13日から沖縄に出発。前田健は南国で総合力アップを図る。メニューには、投手がバットを持つ練習も加わる。野手陣へのノック、打撃…。自覚たっぷりに話した。

 「ロングティー打撃をしたり、ノックを受けたり、走ったり、何でもできますから。投げることよりも、走ったりしたいですね」

 投手の生命線である下半身を鍛えるため、沖縄では走り込みを重視する考えだが、その一方で今季は『恐怖の9番打者』になりきるつもりだ。打撃力の向上もテーマの1つ。真顔で「ホームラン、打ちますよ!

 去年は難しかったです。(相手バッテリーが)フォークとかを投げてきたりしましたから」と話した。

 ブレークした08年には9月28日ヤクルト戦(広島)で、プロ初アーチをマークするなど、打撃センスの良さを見せつけた。しかし、昨季は警戒されて配球が野手並みになった。打率は08年の1割8分2厘から1割6分に悪化。得点力を増すためにも、自らの打撃を磨く。沖縄自主トレでは積極的にバットを握る。

 投手の打撃力向上は、野村体制のテーマの1つだ。昨秋の宮崎・日南キャンプでは投手陣がランチタイムにフリー打撃やロングティー打撃などを集中的に行って、例年になくバットを振り込んだ。昨季、3本塁打を放ったルイスが退団し、投手陣の迫力不足は否めない。前田健が好打を見せつければ、投手全体への刺激剤になるのは間違いない。

 もちろん、投手としても万全の調整でキャンプに臨む構えだ。「投球はキャンプからです。飛ばしても意味がない。(自主トレは)キャッチボールで肩を作って、キャンプで(ブルペンに)入れる準備はしておきたい」。沖縄合同自主トレでは、あえてブルペンでの投球を自重し、肉体強化にウエートを置く。あくまで“マイペース”で、開幕に備えて、少しずつ状態を高めていくつもりだ。この日は、ドラフト1位の今村猛投手(18=清峰)からあいさつを受けるなど、いまや手本になる存在。今年のマエケンは、マウンドだけでなく打席でも目が離せない。【酒井俊作】

 [2010年1月13日10時8分

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