<阪神2-0横浜>◇13日◇甲子園

 阪神先発能見篤史投手(30)が主力をそろえた横浜を圧倒した。初回の3連続三振を口火に今季最長の6回で6三振を奪い、4安打無失点。最速144キロの真っすぐを主体に変化球もさえ、満足の82球だった。「ストライクもどんどん取れたし、今の時点では悪くないと思う」。オープン戦は2試合9イニングでわずか失点1の安定ぶりだ。

 苦手甲子園対策が決まった。昨年勝ち頭の13勝(9敗)をマークしたが、聖地では意外や4勝4敗だった。内弁慶ならぬ外弁慶。その理由として、強い浜風など、他球場に比べて「体が冷える」寒さ対策が万全でなかったと分析していた。

 そこで、30球から、多くて40球だった試合前の投球練習量を増やした。この日は47球。さらに試合開始直前に2度目のアップも導入した。「しっかり肩を温めて投げました」。作戦は大成功。苦手をお得意さんに変える手応えをつかんだ。

 城島との初コンビも決まった。「どんどんストライクを取って行こうという印象を受けた」。テンポよく追い込む、持ち味を引き出してもらえた。さらに疲労からバランスを崩しかけた6回には「真っすぐを投げてタメを作れ!」とのアドバイスがズバリ。そこに四球で自滅していたかつての姿はない。真弓監督も「安心感を持って見ていられる投手になってきた」と絶賛。進化した能見に死角は見当たらない。

 [2010年3月14日11時27分

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